マッチ売りの葵ちゃん

たとえば葵ちゃんがマッチ売りの少女のような境遇だったとしよう

「エクストリーム同好会に入りませんか?お願いします、話だけでも聞いてください」
季節は冬
舞台は既に日も暮れつつある西洋の町並み
こんこんと雪の降る寒空に皆が我が家への帰り道を急ぐ夕暮れの中で
葵ちゃんがブルマー姿でエクストリーム同好会の勧誘をしている

「何がエクストリームですって!?セリオと違ってろくに働きもしないで!
 それが遊びでないというのなら今日こそ部員を見つけてこないと家に入れないわよ!」

空手こそ正義と主張して止まない継母の坂下
エクストリームの道を志す葵ちゃんは何かと虐げられる毎日
とうとう今日はヒステリックかつ無茶な言葉と共に家を追い出されてしまい
何とかして同好会の仲間を見つけようと必死になる葵ちゃんだけど
こんな町中でいきなり格闘技を志すヤシを探してもそう寄ってくる訳はなく
葵ちゃんを無視して足早に去っていくヤシらにクスクスと笑われているばかりだった

(全然話聞いてくれないな・・・。このままじゃ家に帰れない・・・)
エクストリームの素晴らしさと楽しさを一生懸命訴えても聞いてもらえなければしょうがない
さすがの葵ちゃんも寒空の中朝からずっとブルマー姿で立ち続けているから
冷え切って少し体の震えが起こり始めてきている
(寒いなあ・・・。もしこのまま一人も部員が見つからなかったらどうしよう・・・)

体の凍えと部員が集まらない寂しさと家に帰れないかもしれない不安で
とうとう弱気になってその場にしゃがみ込んでしまう葵ちゃん
腕も太股も剥き出しなブルマー姿にますます冬の寒さがこたえる
(きっと私もうこのまま死んじゃうのかな・・・。・・・・・・・・・ウンチしたくなっちゃった)
死が頭に浮かんできてもウンコはしたくなる可愛い葵ちゃん
建物と建物の隙間にコソコソと隠れてウンコをし始める
今までずっとエクストリーム同好会の勧誘でウンコが溜まっているのを忘れていた葵ちゃんの
体内から吐き出されるオシッコとウンコの勢いはそれはもう凄いものだった
しゃがんだ葵ちゃんがちょっと体の緊張を弛めただけでオシッコが大量に噴き出し
ウンコもまったく力を入れることなくスムーズに肛門から溢れ出て
ドサリと音をたてて積もった雪の上に落下した

手持ちの紙がないので尻を拭かずにブルマーを穿き直す葵ちゃん
オシッコとウンコを出したせいか体の冷えがより一段と激しくなる
「寒いよう・・・。寒いよう・・・・・・」
再びしゃがみ込んでしまい手で腕を擦りながら寒さに耐えるものの
このままではいずれ体の感覚が無くなってしまってもおかしくはなかった
そんな時フト自分のウンコを眺めた葵ちゃんはこの寒さの中で激しくホカホカと
湯気を立ち上らせているウンコを見てそれがとても温かそうな物に感じてしまい
何の躊躇もなくウンコに手を伸ばしそれをそっと掴む葵ちゃん

「暖かい・・・!」
両手でウンコをそっと包むとその温かさにウットリしながらも驚く葵ちゃん
ほとんど一日中寒さに耐えてすっかり冷え切った手の平に
ウンコの温もりがとてつもない心地よさだった
むしろ熱いぐらいだと言っても過言ではない
やがて手を温めるだけではなくウンコを懐で抱きしめて体をも暖め始める
心地よい温もりを腹に感じ立ち上る湯気に包まれ自分のウンコの臭いが香ってくると
今までの疲労が一気に解放されて夢見心地になってくる

「暖かいな・・・。・・・・・・・・・あ、おばあちゃん・・・」
いつしか葵ちゃんの目には優しかった綾香おばあちゃんの姿が見えてくる
葵ちゃんにエクストリームを教えてくれ優しくて強かった綾香おばあちゃん
二人での楽しい思い出の日々が走馬燈のように蘇ってくる
幻影に過ぎなかった綾香おばあちゃんが今では葵ちゃんのすぐ側で
自分を優しく抱きしめてくれているような感覚
それは既に葵ちゃん自身があの世の綾香おばあちゃんに近づいてるということなのか
そしてゆっくりと葵ちゃんの目が閉じて・・・


「・・・おい!君!大丈夫か!?」
通りがかって葵ちゃんを発見した漏れの声で葵ちゃんは意識を取り戻した
「こんな真冬に朝から晩まで一日中ここにいたのか?
 気になって戻ってくれば・・・、それにしても間に合って良かったぜ」
真冬にブルマー姿でエクストリームだかの勧誘をしている葵ちゃんを漏れが意識しないわけがない
最初は恥ずかしくて通り過ぎたけど漏れはどうしても気になって探しに来ていた
それが偶然にも死にかけた葵ちゃんを発見することになったとは幸運だと思ったが
葵ちゃんはそれが嬉しいことではなかったらしい

「私・・・もう居なくなっちゃった方がいいのかもしれません・・・」
心の支えである綾香おばあちゃんを失いエクストリームの理解者もおらず
坂下には疎まれてメイドのセリオは無口で相手すらをしてくれない
新しい仲間を募っても誰も集まってもらえずすっかり希望を失ってしまった葵ちゃん
「どんなに頑張ってももう私はずっと独りぼっちなんでしょうね・・・」

落ち込む葵ちゃんに諦めちゃいけないし自分を信じ続けなくては駄目だと漏れは説得するが
葵ちゃんはすっかり自分すら見失っていて考えること全てが悪い方向になっている
「誰も相手にしてくれないエクストリームなんてやってる私は
 もうこれ以上強くなんてなれないんです・・・!もう・・・私は・・・!」
「どうしてそんなことを言うんだ!自分をそんな風に決めつけちゃ駄目じゃないか!
 葵ちゃんはきっと誰にも負けないぐらい強くなれる!そう、葵ちゃんは強い!
 葵ちゃんは強い!葵ちゃんは強い!葵ちゃんは強ぉぉぉぉぉぉぉぉぉい!!!」
漏れの強引な説得に葵ちゃんは一瞬キョトンとし言葉が続けられなくなる
そこへ漏れはさらに説得を試みた

「もう葵ちゃんは独りぼっちじゃない・・・漏れをエクストリーム同好会に入れてくれ。
 漏れはまだ格闘技はやったこと無いけど凄く興味を持った。
 葵ちゃんのおかげでもの凄くエクストリームをやりたくなったんだ」
「え?わ・・・私のおかげ・・・ですか?・・・でも、どうして・・・?」
「それを見れば分かるさ」
漏れはそっと葵ちゃんが大事そうに持っている葵ちゃんのウンコを指さす
すると葵ちゃんは自分のウンコをうっかり持ちっぱなしにしていたのに気付いて
顔を真っ赤にし慌ててウンコを手放す
漏れはその雪の上に落ちたウンコを両手ですくい持ち上げる
葵ちゃんはそれを恥ずかしそうに黙って眺めることしかできない

葵ちゃんのウンコはいまなお温もりを持ち続けホンノリと臭気と共に湯気を放っている
「こんなに立派で、暖かくていい臭いのするウンコが出せるんだ。
 そんな葵ちゃんが大好きなエクストリームはきっと凄い格闘技なんだなって思ったよ。
 ・・・格闘技にも興味はある・・・。だけど漏れは葵ちゃんにももっと興味を持ったんだ
 ・・・漏れと一緒にエクストリームをやろうぜ!二人で頑張ろう!」
「・・・・・・う、うわぁぁぁぁぁぁん!わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
目に大粒の涙を溜めながら漏れの言葉を聞いていた葵ちゃんが
感極まり溢れ出る涙を堪えきれなくなって漏れの胸に抱き付くと大声で泣き叫ぶ
漏れはそのまま思う存分葵ちゃんに泣かせてあげている
ようやく独りぼっちから解消されて相当嬉しかったのだろう
そして今までよっぽど辛い思いで毎日を過ごしていたのだろう

「でもさ、坂下も葵ちゃんが本当に憎い訳じゃないと思うぜ。ホラ」
漏れがそういって指さした方向を葵ちゃんも覗くとそこには葵ちゃんを捜して
あちこちを歩きまくっているセリオがいた
「葵様ー!・・・葵様ー!」
無表情な顔で大きな声を上げているセリオはかなり怖いが漏れはセリオの元へ
葵ちゃんを連れて行き声をかける

「葵様の保護有り難うございました。ご主人様によろしく伝えておきます」
素っ気なくお礼を言うと葵ちゃんを馬車に乗せてそそくさと帰ろうとするセリオに
漏れは坂下の命令で探しに来たのかと聞いた
葵ちゃんもセリオの返事をドキドキしながら待つ
「・・・ご主人様に理由は言うなと口止めされておりますので・・・」
ほとんど坂下が葵ちゃんを心配してるのを隠していると言ってるようなものだ
葵ちゃんは言葉の裏が理解できなくて残念がっているけど
漏れがポンと肩を叩いて笑ってあげたら何となく安心したようだ


遠くへ去っていく馬車を眺めながら漏れはこれからの事を考えていた
さすがに一から格闘技を始めるのは不安だったが
葵ちゃんと一緒に出来るならきっと何とかなるだろう
ようやく幸せの道が開けてきた葵ちゃんのために頑張りたいし
漏れがもっともっと葵ちゃんの幸せを大きくしてあげなくちゃなと思う

漏れも自宅へと戻ろうとした頃
残された葵ちゃんのウンコは今なお温もりを残していた
それは葵ちゃんのハートは今なお熱さが残っているという証明だろう
大丈夫だ
葵ちゃんはきっと今までの辛さを全部吹き飛ばせるぐらい強くなれる
あんなに苦しんでいた状態でさえ凄いウンコが出せるのだから

葵ちゃんって本当にいい子だよな  (´ー`)y─┛~~~

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